ザリガニと「ハロー効果」

中国よもやま話

中国の夏と言えば、ザリガニらしい。

中国の夏の定番フードである。

まぁ、基本的にはエビなのだから

そう思えば、不思議はないかもしれない。

(「ザリガニ」という言葉の響きが、

 日本人には抵抗感を与えるが)

甘めのタレで味付けされることが多い。

市場・スーパーに行けば、生きたザリガニが当たり前に売られている。

そして、当たり前にWeChat Payでザリガニを買っていく。

WeChat Payは、

50代、60代のおじさん・おばさんも

当たり前に使いこなしている。

WeChat Payの支払に手間取っていると、

おっさんたちに

「やれやれ…おいおい」という顔をされたそうだ。

中国におけるザリガニの市場規模は、

実に3,000億元(約5兆円)。

市場で食材として買うほか

屋台、美団やウーラマでの外売(宅配サービス)でも一般的に食べられている。

ザリガニ・フードの専門チェーンも続出しているし、

中国のケンタッキーにはザリガニのハンバーガーがあるし、

ピザハットにはザリガニのピザがある。

中国では、ザリガニのほか

カエルも食べるし(鶏肉に近い)、

臭豆腐や、血旺(血豆腐)もメジャーに食べられている。

どう思うだろうか。

あまり印象は良くないのではないだろうか。

(中国人からすれば、納豆を食べる日本人にだけは

 そんなことを思われたくないはずだが)

ある特徴に引きずられて

物事の評価が歪められることを、「ハロー効果」と呼ぶ。

かみ砕いて言えば、先入観による誤解や思い込み、である。

例えば

Googleが企業、ビジネスとして成功している

という「特徴」に引きずられると

Googleのすべてが優れているように錯覚してしまう。

だから、多くの企業がGoogleのオフィスをマネしていった。

しかし、Googleになれた企業はひとつもいない。

良い企業、ビジネス、ヒトの言うことや特徴は、

すべて良いように聞こえてしまう。

そう見えてしまいやすい。

この「ハロー効果」に注意してみてほしい。

「中国人はザリガニが好き」と聞いて、

中国人に対する(偏見に満ちた)先入観から、

「おいおい…」と

ネガティブな感情を持ったヒトが多いのではないだろうか。

北欧では、ザリガニが良く食べられている。

特にスウェーデンでは、8月にザリガニ祭が開かれるほどだ。

だから、スウェーデン発のグローバル企業のIKEAでは

ザリガニ・フェスタがちょうどいま、日本の店舗でも開かれている。

フランスやアメリカ南部でも、ザリガニは食材としてメジャーである。

さて、ザリガニに対するイメージはどうだろう。

日本人は典型的に、

欧米人に対しては、憧れを感じて上に見て、

反対に、中国人に対しては、下に見やすい。

日本におけるマーケティングのひとつの流れとして

「欧米でヒットしていて、日本でもヒットしそうなものを探す」

というものがあるほどだ。

物事をフラットに観て、客観的に判断することは

実は、意外と難しい。

ザリガニを、中国とIKEAから、フラットに見てみてほしい。

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