ピンチをチャンスに変えられるか

中国よもやま話

春の出版に関する作業がひと段落ついたので

実に、半年ぶりとなるブログ更新。

あらためて、このブログは

私にとって

思考と執筆の腕が錆びつかないようにする「頭の筋トレ」であり、

教え子たちが読んで、マーケティング・センスを鍛えてもらうための

「練習帳」でもありますね。

毎日、とは言わずとも(言いたくない)

毎週、よりは多いペースで

またコンスタントに書いていこうかと思います。

新型肺炎によって、中国では

2020年の旧正月のホリデーシーズンに公開予定だった

全ての映画が、上映延期となった。

しかし、驚くべきことに

その中止発表の翌日、

中国ベンチャーのバイトダンス(TikTokの運営会社)が

コメディ映画『囧媽(ロスト・イン・ロシア)』の上映権を

6.3億元(約100億円)で買収し、自社アプリでの無料配信を実現させた。

この無料配信は

3日間で6億回以上の視聴数を記録し、

ユーザーからは32万件もの感謝のコメントが寄せられたという。

これによって、バイトダンスは

100億円のもとを取れるほどに絶大な広告効果を発揮し、

アプリのユーザー数拡大、

ブランドイメージ向上を劇的に進めることに成功した。

中国の武漢から、世界に広がったとされる新型肺炎による「コロナショック」。

中国という国、地域、ヒト、企業をごっちゃにしてしまうと

欧米のような、乱暴な「中国憎し」になってしまうかもしれないが

中国企業は、コロナショックでとんでもないダメージを受けている被害者だ。

(感染拡大阻止の初動を誤った、あるいは隠ぺいしようとした

 武漢の自治体は、加害者と言っていいのかもしれないが)

日本企業、アメリカ企業、欧州企業と同じように

中国企業もまた、コロナショックというピンチに立たされている。

しかし、

中国ベンチャーの「ピンチをチャンスに変える」力、

そのバイタリティは、やはり凄まじい。

上述した、バイトダンスのように

迅速かつリスキーで冒険的すぎるマーケティングを実行できる企業が、

ほかにどこにいるだろうか。

日本のベンチャーの雄、ソフトバンクができるだろうか。否。

アメリカのGAFAも、ここまでチャレンジングなことに手は出さないだろう。

こうした中国ベンチャーのマーケティングは、

ともすると「いちかばちか」で、「結果論」のように見えるかもしれない。

が、じつはその裏には、独自のロジックが存在する。

という、そういう主旨の本を半年も書いてきたから

中国ベンチャーに対して

好意的すぎる目線になってしまっている部分はあるだろう。

しかし事実として

無人運転、ドローン配送、リモートワーク、VRショッピングなど

様々な分野において、中国はコロナショックというピンチを

現在進行形でチャンスに変えていっている。

それは、まぎれもない事実だ。

もしも、日本が、日本のビジネスパーソンが

ただ「ピンチに耐え忍ぶ」だけだったら

中国との差、世界との差は、ますます広がる一方だろう。

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