写真カルチャーとビジネス

中国よもやま話

中国人はすべからく、写真が好きだ。

「インスタ映え」という言葉が

影も形もない大昔から

とにかく、自身をよく見せる写真を撮ることに目がない。

台湾も中国本土も、5万、10万円~で

スタジオ撮影ができるサービスがごろごろ存在しているし

日常や旅行先でもバンバン写真を撮る。

(当然、メインユーザーは女性)

(だから、加工アプリも大流行している)

また、撮る際には、たいてい

自然体では撮らない。

(日本人から見れば、明らかに不自然に)

変にモデル立ちをしたり、

どこかにひじをかけてポージングしたり、

あえて目線を外して撮ったり、

慣れない頃は、よく「モデル気取りか」とツッコんだものである。

こうした中国独特の写真カルチャーにも

キャッシュレスの波は押し寄せて、ユニークなビジネスを生みだしている。

中国のリゾート地、三亜にて

ハイクラスのホテルに宿泊したが

(と言っても、中国は格安)

そのホテルから歩いていけるビーチには

必ずと言っていいほど、売り込みのカメラマンが待ち構えている。

彼らは、ターゲットを見つけると

「この一眼レフで撮ってあげるから、写真を買わない?」

「1枚20元(340円程度)でいいよ」

などとアプローチしてくる。

リゾート風のおしゃれをしてきた女性など、良いカモである。

写真を撮りたい感が全開だし、

(雰囲気が壊れるような)値切る交渉をするタイプも少ないからだ。

家族連れも、子供の写真を撮りたいから、絶好のカモとなる。

つまり

絶好のカモとなった。

右にいるのが、カメラマンとカモ。

カメラマンは、一眼レフを構えて

ポージングをアドバイスしながら、10~20分程度撮影してくれる。

「モデル気取り」になりたい

中国人女性のニーズをワシ掴みしてくれるわけである。

ここからが、キモで…

1枚20元(340円)だから、5枚(1,700円)くらい買おうか、

と思ってみても

まぁたいていの場合、

何十枚も撮影した中から5枚だけを選ぶのは至難の業である。

悩んで悩んで…いるところに、カメラマンの営業トークが来る。

「じゃあ、40枚を200元(3,400円)でいいよ」

とか

「もう写真全部あげるよ。全部で、500元(8,500円)はどう?」

などと持ち掛けてくる。

そして、たいていの場合、まんまと買ってしまうのである。

これまた、スマホと一眼レフでは

写真の出来上がりが雲泥の差だから、買いたくなってしまう。

iPhone XRの写真。
一眼レフカメラの写真。

カメラマンは、交渉などの時間も含めて

30分強で3,000円、1万円と稼いでいくことが可能である。

まぁ、いい商売である。

価格交渉が終わると、すぐにWeChat Payで支払。

一眼レフカメラとスマホを有線コードでつないで、

高画質データを即ダウンロードできる。

現金社会では、ちょっと成り立ちにくいビジネスのはずだ。

ビーチに、現金を大量に持っていくヒトは少ないだろう。

しかし、スマホは必ず持っていく。

つまり、スマホによるキャッシュレス決済だからこそ

このビジネスは上手く回っていくのである。

もちろん

中国人の写真カルチャーとメンタリティだからこそ

大勢の他人の前で、モデル気取りの撮影会ができるということもある。

(日本では、キャッシュレス、カルチャー、メンタリティ、すべてなし)

ちなみに

カメラマンの持つ一眼レフカメラは

NikonとCannonが多い。

Made in Japanの数少ない強みとなっている。

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