女らしさ、男らしさ

マーケティング小話

ビジネスの現場において

「男らしい」は、大胆で、豪快で、余裕があって…どこか誉め言葉で使われやすい気がする。

一方で、「女らしい」は、大人しく、繊細で、細かく、控えめで、気配りができて…

あくまで男のサポート役としての評価だったり、

ともすれば男から嫌味を込めて、使われやすいように思う。

女性が活躍・出世していく様子を、後ろ指を指して

「『女』を使いやがって」と陰口をたたく男性の姿は容易に思い浮かべられる。

しかし、そういう男性サイドは、普段『男』を使ってはいないのだろうか。

「女らしさ」の強みとして、コミュニケーション・スキルの高さ、

女性ならではの発想・想像力・行動、このあたりがあるのだとして

一方、「男らしさ」には、腕力・体力の大きさや持続力のほか

男性ならではの発想・想像力・行動、そして

男性同士(上司と部下)だからこそのコミュニケーション

これが決して小さくないはずだ。

女性を連れまわすリスク(パワハラ、セクハラ)が大きくなっているからこそ

男同士で安心できる飲み会や夜の付き合いは重宝されている。

それは、女性目線では「『男』を上手く使いやがって」に他ならない。

そして、圧倒的に男性の上司が多いのだから、

プラス、男性には産休・育休のタイムラグが(基本的には)ないのだから、

よっぽど「『男』を使いやがって」の場面の方が多いに違いない。

個人的には、女性が「女らしさ」を発揮するのも

男性が「男らしさ」を発揮するのも、共存することが望ましいと思う。

「らしさ」を発揮して、補完し合うことを目指すべきだ。

男性と女性は、根本的に異なる生き物で

考え方も、発想も、評価基準も、あるいは生き方まで、異なる部分が大きい。

だからこそ、共存し、協働できれば、生みだせる価値は飛躍的に高まる。

女性用の商品や育児用品を、男性社員が権力を握って開発しているために

明後日の方向を向いた的外れなプロダクトや広告になるケースは、案外に多い。

女性の中には、「女らしい」と言われないように努めているヒトもいることだろう。

「日本人らしさ」「中国人らしさ」といった国単位でも同じ話かもしれないが

誰もが均一化していく必要はなくて

「らしさ」なりの強みを発揮する方法を考えていけばいいように感じる。

性別、国、といった大きな話に限らず

それは個性でも同様だろう。「自分らしさ」をどう発揮するか。

映画『Darkest Hour/ウィンストン・チャーチル』は

政治映画・戦争映画が苦手な人にとっても、ドラマとして極上のものだったが

心に深く残るのは、勝負に挑もうとする主人公に対して、妻が送る

「Be yourself」という言葉だ。

懸命に努力をして、ベストを尽くして、最後は「あなたらしく」やればいい

そう応援し続ける。

「女らしさ」をどう発揮しようとするか。

「男らしさ」をどう発揮しようとするか。

そして、「自分らしさ」をどう発揮するか。

それは、ビジネスパーソンとしての価値、差別化、オリジナリティの発揮と同義だ。

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