素晴らしいモデルケース:Creative Office Cue

マーケティング小話

大泉洋、安田顕、森崎博之、戸次重幸、音尾琢真

それぞれに全国区のタレントである演劇ユニットの面々は

デビュー以来、現在でも北海道の事務所「Creative Office Cue」に所属している。

(正確には、森崎・戸次・音尾の3名は初期に同事務所に移ってきた)

(アミューズとオフィス・キューが提携し、大泉の東京での活動はアミューズも関わる)

クリエイティブ・オフィス・キューは、もともと劇団の主催者と劇団員だった

鈴井貴之(水曜どうでしょうのミスター/元社長、現会長)と、

伊藤亜由美(旧姓、鈴井/元「副社」、現社長)の元夫婦が

1992年に設立した事務所だった。

今以上に「ローカル・タレント」の活躍が制限されていた当時、

『水曜どうでしょう』で鈴井と大泉がブレイクするまでは

同事務所の経営は、「副社」が経営するメキシコ料理店やベトナム料理店の

飲食店部門の方が、タレント部門の売上よりも多かったという。

(ちなみに現在でも、パン屋/北海道の食材とワインのレストラン

 「ブラッスリー・コロン」を札幌市内で経営しているそうだ)

タレント、映画監督、ドラマ監督、舞台監督などで才覚を発揮する

才人ではあれど、自他ともに認める「ダメ人間」のミスター、鈴井貴之

その裏で事務所とタレントを支え続けてきたのが、元「副社」、

「チーム・ナックスの母」と呼ばれる伊藤社長だ。

『7RULES』という番組で取り上げられていた伊藤社長の7つのルールのうち

次の3点は、番組を見てから半年がたった現在でも記憶に残っている。

1つ、『まずはラジオの仕事から』

 >歌手であろうが、タレントであろうが、俳優であろうが

  まずは、自身の言葉で「伝える力」を育むようにさせているという。

  だから、音しか伝えられないラジオで、その力を徹底的に鍛えさせる。

  「表現者」としてのスキルの原点、ということなのだろう。

2つ、『タレントもスタッフも家族のように接する』

 >スタッフは、「タレントを売り出す、演出する」プロフェッショナル

  タレントは、「表に出て広まっていく」プロフェッショナル

  と言っていいのだろう。

  タレントだけを特別扱いせず、同じ家族の一員として接する姿勢は崩さない。

3つ、『社員の顔の見える会社にする』

 >イベントでは、タレントだけでなく、スタッフたちも

  ファンから認知されており、知り合い、友人のように交流する。

1つめの『まずはラジオの仕事から』やることで、

手ぶらでも説得力とユーモアのある「伝える力」を養う。

社外営業、社内プレゼン、コンペ、など

ビジネスパーソンにも広く必要とされるスキルに違いない。

2つめの『タレントもスタッフも家族のように接する』ことは、

花形部署も、裏方部署も、役割の異なる同じプロフェッショナルだ。

これも、大きな会社に勤める人ほど、身に染みて分かる

マネジメントにおいて大切な感覚のはずだ。

3つめの『社員の顔の見える会社にする』は、

中国ベンチャーで、世界4位のスマホ・メーカーであるシャオミの

企業理念と通じるものだ。

シャオミを調べていて、共通点に気づき、驚いた。

「ユーザーと友人のようにつながる」を、オフィス・キューは

もう20年以上前から実践していたのだ。

加えて、これはチームナックスの5人を見ていて

以前から感じていたことだが、彼らは明らかに「ゼネラリスト型人材」だ。

大泉洋が、出演作品の公開前には、バラエティに

引っ張りダコとなるように、彼らは「何でもできる」

北海道では、演技の仕事が多いわけではなかった。

だから、彼らは、何でもしなければいけなかったのだ。

ラジオMCやカラオケの司会から、

バラエティ、コント、テレビドラマ、演劇、映画、歌手まで

「やっていくために」、「生きていくために」

何でもできるようになることが求められた。

その結果、彼らは「何でもできる」ようになった。

仲間であり、同士であり、ライバルである5人組は

ゼネラリスト型育成の極めて優れた成功例としても見守ることができる。

その人材育成のモデルケースとして、北海道の事務所

Creative Office Cueは、大いにベンチマーキングするに値する。

C