『SPIDER-MAN Far From Home』を公開初日に
ユナイテッドシネマ豊洲に観に行った。
ユナイテッドシネマは、毎週金曜日が会員DAYなので、
1,000円鑑賞だ。
すると、数量限定の公開記念グッズがもらえた。
スパイダーマンのフィギュアだ。

映画を堪能した後、「まさか…」と思ってメルカリを開いてみると
この限定グッズがザクザク出品され、ザクザク売れていっている。
その金額、1,000円である。
映画を1,000円で観て、限定グッズを無料配布でもらい
それをまた1,000円で売る…という
金銭価値が迷路に入り込んだような感覚だ。
(実際にはメルカリで1,000円で売ると、手数料10%と送料を引いて
手元に残るのは800円ちょい、といったところだろう)
翌日に、越谷レイクタウンに行ってみると、Marvelショップがあった。
喜び勇んで、グッズを買いに行くと
期間限定で、3,000円以上購入者を対象に、グッズを配っていた。
スパイダーマンのケーブルホルダーと、アイアンマンのピンバッジだ。
もうお分かりだろう。
恐る恐るメルカリを開いてみると、
スパイダーマンのケーブルホルダーが1,500円
アイアンマンのピンバッジが2,000円で取引されているのだ。
つまり、こちらはもはや、購入金額を超えてしまっている。
(限定ノベルティだけで、3,500円
プラス、購入グッズまで売りさばけば…6,000円程度は行くのだろう
つまり、3,000円で買ったものが、6,000円で売れることになる)

メルカリ、という
日本国内の、ドメスティック・メガベンチャーは
消費者のライフスタイルを更新し、産業構造を変革させた。
メルカリが当たり前になった私たちにとって
「売る」はいつでもどこでも、何でも、誰に対してでも、できる。
「売る」のハードルは、極めて低いものになった。
買う・売る/中古を売る/転売する
こうしたライフスタイルは、メルカリ以前とメルカリ以後では
まったく別物になっている。
そして、それゆえに
メルカリ以前にあった中古販売関連産業は、
本のブックオフ、家具雑貨のハードオフ、CD・DVD・ゲームのツタヤとゲオ、
服のラグタグとZOZO USED、そして車のガリバーまで
メルカリの登場で総崩れに遭っている。
(中古車市場は、これから本格化)

ベンチャー企業(Start-ups)が新しく現れ、
凄まじい速度で急成長を遂げ、
ユニコーン(創業10年未満で、企業価値10億ドル以上)や
その先のメガベンチャーにまで成り上がっていき、
これまでにない、新しく、価値あるプロダクト(製品やサービス)が広げられることによって
消費者も産業も大きく変えられていく、
その影響力はとてつもなく大きい。
その代表格として、Amazonによる「アマゾン・エフェクト」が知られている。
アマゾン・エフェクトに比べれば
範囲も規模もまだまだ小さいが、
私たちの日常の周りには、確実に「メルカリ・エフェクト」が巻き起こっている。
だから、企業は
メルカリ・エフェクトを踏まえたうえで
需要予測・マーケティング施策・判断をしなければならない。
果たして、本当にそれができているだろうか。
決定権を持つ層(シニア)は、本当にメルカリ・エフェクトを
いや、メルカリを、認識できているのだろうか。
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