マーベル・スタジオが、自社コミックを、自社スタジオで映画化していく
一連のアメコミ・シリーズは、MCU(Marvel Cinematic Universe)と呼ばれる。
10年前の『Ironman』から始まり、22作の映画が公開され
そのすべてがヒット作品になっているという奇跡的な、一大ビジネス・プロジェクトだ。
これほど奇跡的で、素晴らしい成功を収めている、
映画ビジネス、コンテンツ・ビジネス、エンターテインメント・ビジネスを、
私はほかに知らない。
それほどに、MCUは群を抜いている。
そのひとつの集大成として、現在公開中なのが『Avengers:Endgame』だ。
歴代の興行収入トップの座にいる『Avatar』をいつ抜き去るか...
映画ファン、MCUファンはその日をいまかいまかと待ち焦がれている。
しかし、その歴史的な日が、果たして訪れてくれるかどうか、怪しくなってきた。
『Avatar』の27.88億ドルの壁はそれほど高い。
6月15日時点で、『Avengers:Endgame』の興収は27.38億ドル。
あと5,000万ドル...55億円...
だがしかし、表面的な数字に踊らされず、
数字の中身を掘り下げてみて見ると、じつは2作品はレベルがかけ離れてることに気づける。

『Avengers:Endgame』と『Avatar』の興収の曲線を見比べてみれば一目瞭然
『Avengers:Endgame』は遥か上を行っているのだ。
『Avatar』は、3D作品のため、鑑賞料金が2,000円を超え、
通常版・特別版を合わせて、238日間もの長期にわたって上映した。
対して、『Avengers:Endgame』は、3D上映もあるが、大半は2Dで
上映期間は、わずか63日間となっている。
(続く『Spiderman:Far from Home』の上映開始と合わせて、終了する)
単価と上映期間が全く異なるのだ。
『Avengers:Endgame』が、記録を狙って上映し続ければ
夏前に『Avatar』を超えることは間違いないが、
マーベル・スタジオが展開するMCUにおいて、『Avengers:Endgame』は
未だ通過点に過ぎない。
ここで燃え尽きるわけにはいかないのである。
この盛り上がりを、次の作品に繋げることの方が、遥かに大切なのだ。
だからこそ、記録狙いで上映期間をダラダラ伸ばすことなく、
次の『Spiderman:Far from Home』のトム・ホランドに、バトンを託すのだ。
その決断は、MCUというプロジェクトにとって英断となるはずだ。
しかし、しかし
どうか歴代最高興行収入に輝いてほしいと、切に願う。
そのご褒美を、栄冠を、獲得するにふさわしい作品にちがいない。
6月27日の上映終了前に、もう一度観に行って...貢献したい思いでいる。
(中国での上映がすでに終了しているというのは...非常に痛い)
いちMCUファンとして、未だ結果はわからないが
期待と、負け惜しみを込めて。
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