「made in Japan」の弊害

マーケティング小話

「メイド・イン・ジャパン」

その、主に外側(ハード面)におけるモノづくり水準の高さは

現在でも揺るがない。

海外に行って、海外のモノと比較してみると

いかに「メイド・イン・ジャパン」が優れているかがよく分かる。

日本の家電は、

過剰品質と、ニーズのない「要らない機能」追求で

「その機能要らないから、半額にしてよ」と言われる事態に陥っている。

だから、世界ではSamsung、LG、Haierに負け越している。

日本のモノの中側(ソフト面)、特にデジタル分野(AI、IoT)では

米中二強に置いていかれて、イノベーションの周回遅れに立たされている。

(ちょうど、孫正義が「日本はAIの発展途上国」と発言したように)

一方で、日本のモノづくりが強いところも、確実にある。

(強さと弱さを自覚して、強さを伸ばし、弱さを補えばいいのだが…その議論はまた別の機会に)

例えば、袋のどこからでも切れる『マジックカット』(旭化成パックス)

こんな便利な技術・モノは、私は米中欧のどの国でも見たことがない。

なんなら、切れ目すら入っていない(ハサミを使わなければ開けられない)ものも少なくない。

こうした細かな、米中欧の企業が見落とす(気にしない)ようなニーズに

日本企業は研究開発を惜しまず、ストレスフリーなモノを実現できる。

また、別の強みとして

圧倒的なコスパと耐久性があげられる。

「made in Japan」はとにかくコストパフォーマンスに優れていて、壊れない。

NZの割と高級なホテルに宿泊した際、備え付けの家電を見てみると

唯一、電子レンジだけが「Panasonic」製だった。

しかし、間違いなく最新のものではない。

万全で、故障しないから、長く長く使われている生き残りだった。

L.A.でUBERに乗ると、高確率でTOYOTA「プリウス」に出会う。

コスパに優れ、故障せず、圧倒的に燃費がいいから、

UBER(個人タクシー)用に選ばれやすいのだ。

(「made in Japan」に、世界的なハイブランドはほぼ存在しないという欠点もあるのだが…それもまた別の機会に)

ただし、2つめに紹介した「made in Japan」の強み、

「耐久性」というのは、モノとしては素晴らしいが

ビジネスとしては考え物だ。

「耐久性がありすぎる」「故障しなさすぎる」ことは、必ずしも利点とは言えない。

なぜなら、

① 買い替え需要が生まれない

② 「古臭い」印象を植え付ける

ずっと壊れない、ということは

買い替える必要がない=新商品が売れない、を意味している。

また、ずっと壊れないから、ずっと使い続けたくなる。

それは、例えば船(クルーズ・ディナー)、建物(旅館、モール、店舗)で言えば

古臭い、一昔前のセンスのものが残り続けることに繋がる。

一定期間で壊れてくれれば、リニューアルしようと決断できるが

なまじ壊れないから、リニューアルの決断ができなくなってしまう。

この2つの「made in Japan」の弊害は、決して小さなものではない。

日本のモノづくり、サービス業におけるリスクとして

自覚できていないと危険だ。

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