『記号』だけじゃいけない

マーケティング小話

「マーケティング」、「イノベーション」、「ベンチャー」あるいは「消費者」

「日本」、「アメリカ」、「中国」、あるいは「世界」

そうした『記号』として単純化すると

物事は考えやすくなるが、大きな誤解をはらんでしまう。

分かりやすい記号は、考えを進める/まとめるためには重要だが

それだけではいけない。

例えば、『消費者』という記号は

分解していけば、

発案、情報収集、選択、決定、支払、利用、評価、クチコミと細分化される。

「コレ欲しい」と思う人と、情報収集する人、

買う意思決定をする人、実際にお金を支払う人(企業が認識できる顧客)、

実際に商品を利用する人(ユーザー)、

それを評価してSNSでクチコミを発信する人、

立ち止まって考えてみると、上記が常に同一人物とは限らないはずだ。

別人が何人か紛れていることの方が多いだろう。

家族の分の食材をまとめて買い出しする主婦は、その筆頭だし

誰かへのプレゼントだってそうだ。

『消費者』、『消費者分析』と単純化しすぎてしまうと

ヒトの意思決定プロセスや、購買の背後にあるストーリーを見間違うことになる。

消費者をライフステージで分類することも多いが、

『子供のいる家庭』と言ったって

「子供がいる」と「しっかり子育てしている」は大違いだ。

子供がいる家庭でも、果たしてどれだけの男性が

「しっかり子育てしている」と胸を張って言えるだろうか。

「子供を公園に連れていったことなんて一度もないよ」

「要領よく子育てしなきゃね」

なんて、のうのうと言っている親は、「子供がいる」だけの層だ。

だから、同じ『子供のいる家庭』と言っても

「子供がいる」層と「しっかり子育てしている」層では

ライフスタイルや消費傾向、価値観は大きく異なる。

消費者をセグメントで切り分けていっても、

『記号』と『実態』は切り離して捉える必要がある。

じゃあ、私たちが日々行っている…

「マーケティング」は、記号か実態か。

「イノベーション」は、記号か実態か。

「日本人」「日本企業」「中国人」「中国ビジネス」「(IT)ベンチャー」などなど

『記号』としてだけ認識していないだろうか。

ちゃんと『実態』を捉える努力を続けられているだろうか。

こればかりは、意識していないと、楽な方に流されてしまう。

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