「当たり前」の『国籍』

マーケティング小話

2019年、現在の日本人のライフスタイルにおける「当たり前」の

大部分は、Made in U.S.であることは疑う余地がない。

① 当たり前のスマホは、Apple社のiPhone(米)

―世界では、サムスン(韓)ファーウェイ(中)シャオミ(中)の方がメジャー

② 当たり前の検索は、Alphabet社のGoogle(米)

③ 当たり前のSNSは、Facebook社のFacebook(米)

―ポジティブ情報の発信なら、Facebook社傘下のInstagram(米)

―ネガティブ情報の発信なら、Twitter社のTwitter(米)

④ 当たり前のECは、Amazon社のAmazon(米)

⑤ 当たり前の動画配信は、無料ならAlphabet社傘下のYouTube(米)

―有料なら、Netflix社のNetflixや、Disney社傘下のHulu(ともに米)

―ショート動画なら、ByteDance社のTikTok(中)

⑥ 当たり前のインバウンドは中国人で、

 その決済手段はTencent社のWeChatPayか、Alibaba社のAliPay(ともに中国)

⑦ 当たり前のコミュニケーション手段は、NAVER社のLINE(韓)

⑧ 当たり前のコスパに優れた家電は、

 Samsung Electronics社のSAMSUNGか、LG Electronics社のLG(ともに韓国)

私たちの日常を構成してくれている「当たり前」を列挙していくと、

驚くほどに、慄くほどに、Made in Japanは見当たらなくなっている。

アメリカ、そして中国や韓国が創りだしたイノベーションを

日本人は輸入することで現在のライフスタイルを送ることができるようになっている。

それは、もういまどき、国の境界線はなくなっていて

グーバルな社会、グローバル・ビジネスなんだから問題ないじゃないか

と考えることは、もちろんできる。

しかし、一度立ち止まって、よく考えてみなければいけない。

もしも、日米、日中、日韓の間で政治的な衝突があった場合

日本はどうなってしまうだろうか。

もしも、日中が対立した場合、

日本は観光客の大部分を失い、観光ビジネス、インバウンドビジネスは破綻する。

大学やビジネススクールの主要学生も、圧倒的に中国人が多い。

学生が集められず、教育機関として成り立たなくなる学校は続出するだろう。

日韓が対立すれば、

LINE Japanの親会社であるNAVER社の意向で、LINEは利用停止

LINEに登録した個人情報は、すべて韓国政府や軍部に利用されることになる

可能性は否定できない。

(アメリカも中国も、そうしているのだから)

日米が対立したら、

(日本は実質上、アメリカの属国・子分であり、これは一番ありえないが)

Google、Amazon、Facebook、AppleのGAFA関連のサービスは利用停止

個人情報はすべて筒抜けである。

特に、位置情報を完全に取得しているGoogleの存在は怖いものになる。

(だから、中国本土におけるGoogleの利用は制限されている)

アメリカによる中国への経済制裁、ファーウェイを狙い撃ちした利用停止処置、

そして米中対立の様相は

私たちが忘れかけていた、政治の怖さ

政治がビジネスや生活を侵食してくる恐怖を思い出させるものになっている。

米中対立は、日本にとって、決して他人事ではない。

そして、中国はイノベーションを内製化できる国だから、他国と対立できるが

(中国のBATH、メガベンチャー、ユニコーン、そして国営企業群は強い)

日本は、イノベーションをまったく内製化できていないのだ。

現在の日本は、他国の存在なしには

日常を保つことが到底できない。

その事実に、もっと危機感を持たなければならないのではないだろうか。

モノづくり、ハード面での技術力だけではなく

ソフト面、デジタル・イノベーションの分野でこそ

日本の企業とビジネスパーソンは、危機感をもって革新に向き合うべきだ。

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