「ネタ化」で加速するインフルエンサー・マーケティング

マーケティング小話

ときどき、『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREMAER』のラジオが聞きたくなる。

内容がひどすぎて、面白すぎて、スッキリできる。お薦めである。

あるときラグビーの畠山選手と、「あの人は今」的タレントの手島優がゲストで来ていた。

2人は有吉から散々にいじられるのだが、そこで手島優の曲が槍玉にあがった。

曲名はちょっとこの場で明示するのは憚られるのだが、

まぁネタ曲を、笑いのネタとして大絶賛していたのだ。

作ったはいいものの、発売も配信もされていなかった曲である。

それが、翌週になると、ラジオのリスナー(通称ゲスナー)の働きかけをきっかけとして

オリコンでの楽曲配信が決定した。これだけでも、大きな驚きだった。

ラジオでも口々に「すごいな…マジかよ」と言われていた。

しかし、これはまだまだ序の口で、なんとこの曲が

オリコンのデイリーランキングで1位、

ウィークリーランキングでも1位を取ってしまったのだ。

菅田将暉(米津玄師作詞作曲)の『まちがいさがし』をぶち抜いてしまった。

異常事態も異常事態。しかし、現実なのである。

こんな話からも、2つの気づきがある。

1つは、インフルエンサー・マーケティングの力の強さだ。

SNSによって、インフルエンサーが周囲に与える

追従・反発の影響力は過大になっているが

なかでも有吉弘行は、バランス感覚に優れ、国内最強のインフルエンサーのひとりだ。

その影響力の大きさを改めて痛感する出来事だった。

こんな曲までも、彼の手にかかれば、「ネタ化」して

ビジネスとしてスケールしてしまうのだ。

あざとくない「ネタ化」は、共感・拡散を生みだせる。

大切なのは、あざとくない点だ。この曲がどんなに売れようが、

有吉には金銭が入ってくるわけではないのだから。

あざとくないネタなのである。

ただの悪乗りだから、面白いし、周りが動きたくなる。

もう1つは、企業サイドの対応の早さだ。

いくら「ネタ化」して、ラジオからSNSへと盛り上がりが加速しても

企業(事務所や音楽会社)が即座に動かなければ、

盛り上がりを活かすことはできなかった。

「はいはい、面白いね」じゃなく、

本当に売れるかどうかはわからないリスクをしょってでも

即座にプロダクトとしてリリースしたことが、瞬間最大風速的な成功を導いた。

しかし何度考えてみても、『ハミ乳パパラッチ』がオリコン1位は異常事態だ。

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