B2Bプラットフォーム「Alibaba.com」
B2Cプラットフォーム「天猫(Tモール)」
C2Cプラットフォーム「淘宝網(タオバオ)」
と、中国のあらゆるEC手段を押さえて
なおかつ、オンライン決済の「Alipay」を普及させることで
盤石の体制をつくりあげた中国メガベンチャー筆頭のアリババ。
そのアリババは、さらに
オンラインとオフラインを結びつける「ニューリテール戦略」を進めている。
その速度・勢いは、
アマゾンによる無人店舗「Amazon Go」の比ではない。
アリババのニューリテール戦略の旗頭は
スーパーマーケットの「フーマフレッシュ(盒马鲜生)」である。
盒馬(フーマ)という言葉は
「馬をパッケージしたもの」という意味を表しており、
「アリババ会長である馬雲(ジャック・マー)氏の発想を
パッケージングしたビジネス」を示しているのではないか、と考えられている。
カバ(河馬)も「フーマ」と発音されるため、
カバがマスコットキャラクターに採用されている。

じつは、このフーマフレッシュを訪れるのが
今回の中国滞在におけるメインの目的の1つだった。
フーマについては、語りだせば長くなるため、
下記に簡略化して列挙。
①:食品スーパーだが、
Eat inのレストラン、EC向け倉庫、EC向け物流拠点、という
4つの機能を融合させた店になっている。
②:OnlineとOffline の完全融合を実現している。
③:店舗から半径3㎞圏内は、最短30分での配送可能
④:消費者は、通常の「店舗訪問購買」のほか、
店舗で吟味して購入、宅配を選んで手ぶらで帰る「宅配購買」、
仕事帰りにEC注文し、帰宅と同時に食材・惣菜を受け取れる「EC購買」、
すべてが自由に選べる。
⑤:フーマフレッシュは、単位面積当たりの売上で
既存スーパーの3.7倍を実現している。
⑥:そのうち、50%以上が宅配ECによるものとなっており、
既存スーパーの売上の5倍達成を目標に掲げている。
(店舗購入よりも、ネット注文の方が少し安いそうだ)
⑦:実店舗、EC、それぞれ単体では頭打ちになってきていた状況下で
まさしく「ニューリテール」として輝きを放ち、
世界のマーケターから注目を集めている。
⑧:フーマでの購入には
フーマアプリとAlipayアプリが義務化。
それによって、顧客の個人データ・購買データを紐づける。
⑨:フーマは2016年、上海に1号店をオープンさせると
主要都市に出店を加速し、
数年以内に2,000店舗まで急拡大させていく方針。
⑩:フーマは、半径3㎞以内に30万戸の家庭があることを
出店場所の選定基準としており、
都市部に限定されたビジネスモデルを採用。









海鮮に加えて、海外製品の品ぞろえも売りの1つで
日本製品がどこよりも多く揃えられていた。
他のスーパーの比べて、割高感はある。
それだけ、単価の高い「ちょっと良いもの」を揃えている。
隣人曰く、「成城石井の進化版」
言い得て妙だと感じた。
生鮮食品のEC(ネットショッピング)は、どの国でも、浸透しきれていなかった。
商品を信用できないからだ。
肉と言っても、ひとつひとつ形も脂のさし方も微妙に異なるし
そもそも鮮度に不安がある。
魚も、野菜も、自分の目で確かめなければ、信用できなかった。
あのAmazonですら、苦戦している。
しかし、フーマは、その高いハードルを越えることに成功している。
いつも買っている「フーマ」の、
こだわり・信頼のある「フーマ」の、
肉や魚、野菜、総菜をEC宅配できるから
安心できるのだ。
それも30分で届けてくれる。
実際に、天井のレールで
EC宅配バッグが流れていく様子を見れて、よかった。
この仕組み、このモデル、この店はすごい!と
肌で感じる事ができた。
世界中から視察が殺到している
世界最先端の小売店。
それが「フーマフレッシュ」である。
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