ゼネラリストとしての生き方

マーケティング小話

職業柄、以前からAmazon Primeに加入していたおかげで

Prime Videoを楽しんでいる。

洋画も邦画も割と充実していて満喫できているが、

なかでも最近のお気に入りは『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』だ。

ドラマ放映当時から「これが無料で見れるなんて、なんて贅沢」と思っていたが

いまは、「これが繰り返しAmazon Primeで見れるなんて、なんて贅沢」だ。

もっと本格的にリアル路線でつくれるところを、あえてテレビドラマ向きに

分かりやすく、非現実的に、ご都合主義につくるエンタメのバランス感覚が、好みだ。

『CRISIS』や『BORDER』といった挑戦的なテレビドラマを楽しんでいると

小栗旬という存在の異質さに気づく。

演者としてはもちろん、ビジネスパーソンとしても面白い。

ドラマ、映画、舞台で役者として幅広く活用しながら

かなり以前からアニメでの声の演技にも取り組み続けているし

自身で監督を務めた『シュアリー・サムデイ』(挑戦の末に玉砕)

企画・キャスティングから携わった『変態仮面』、『荒川アンダーザブリッジ』、『銀魂』、

『信長協奏曲』、『BORDER』、そして『CRISIS』まで

仕事の領域は、明らかに「役者」の域を超えている。

演技だけをすればいいと思う「俳優部」のような縦割り意識は、おそらく彼にはない。

バラエティでの宣伝活動も、本気で取り組んでいる。

同じことは、山田孝之にも言えると思う。

役者としての力は疑う余地がなく、加えて企画段階から関わった

『山田孝之の東京都北区赤羽』、『山田孝之のカンヌ映画祭』、『聖おにいさん』、

プロデューサーを務めた『デイアンドナイト』など、幅広い。

しいて言えば、小栗旬は大衆向けのエンタメ寄り、山田孝之はコア向けのアート寄り、だろうか。

この2人の活動や生き方は

ロバート・ダウニー・Jr.やブリー・ラーソン、ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニーなど

監督業、プロデュース業、制作会社経営など幅白い活動に挑戦する

ハリウッド・スターたちの姿を彷彿とさせる。

以前、情熱大陸のインタビューで、堺雅人が

「俳優を志すことは、個人的にはお薦めしません」

「俳優は、自身で決められる範囲が狭すぎますから」

と答えていたことを思い出す。

スポンサー、制作会社、事務所、監督

多くの監督者の指示の下で、演技をする。

演技の良し悪しを、自身で判断することは許されない。

俳優とは、そうした多くの制約下で、演技だけをする仕事なのかもしれない。

これは、一般的なビジネスパーソンとまったく同じではないだろうか。

縦割りのセクショナリズムで、やれる仕事が制限され、やりたいようにはできない。

そのジレンマを自分自身で打ち破るためには、新たな何かに挑戦するしかない。

挑戦を続ける小栗旬の姿からは、多くのビジネスパーソンが勇気をもらえるはずだ。

演技だけに専念する俳優のスペシャリストもいいだろう。

演技、宣伝、プロデュース、監督、経営を幅広く守備範囲とするゼネラリストの道も素晴らしい。

ゼネラリストだからこそ、発揮できるスキル、魅力、価値は決して小さくない。

ビジネスパーソンがゼネラリストになっていく道は、意志さえあれば選べる。

物足りなければ、考え、行動し、試行錯誤してみるしかない。

小栗旬の歩みは、意外に考えさせられる。

C