創業から10年で、世界のスマホメーカー第4位に急成長を遂げている
中国メガベンチャーのシャオミ(Xiaomi/小米)
この企業はユニークで、中国ベンチャーの中でも
DJIやバイトダンスなどと並び、気になっているが、
この会社は、経営理念の中核に、「顧客と友人になる」と定めている。
ある企業は、ユーザーの前にひざまずき、ユーザーを神のように崇める。
(これが行き過ぎると、ユーザーの些細なクレームにもひざまづく羽目になる)
またある企業は、反対に、ユーザーをひざまずかせ、素人扱いして洗脳しようとする。
(GoogleやAppleは、基本的に上から目線)
シャオミは、こうした二極的な従来のユーザーとの結びつき方では、
企業とユーザーはお金でしか結ばれない、と考える。
そうではなく、ユーザーを友人として捉えて
企業とユーザーが友情を結ぶ。
「手が届く」「自分だけのものになる」「共に成長していく」ブランドになることを
目標に掲げて、成長を続けている。
コストパフォーマンスに優れたプロダクトを友人(顧客)に届けるため、
「シャオミのハードウェア製品の利益率は永久に5%を超えることはない。もし上回れば、ユーザーに還元する」
と宣言しているほどだ。
その代わりに、
広告、ユーザー課金などのインターネットサービス事業、
小売(自社製品、関連企業・出資企業のIoT製品のEC)で利益を出すようにしている
コスパに優れた良いモノを、適正価格で、友人に届けたい
という方針が一貫して貫かれている。
社内では、「妻の両親にも、自社製品を薦めよう」と言われているという。
(本来、薦めにくい相手でも、自信を持って薦めよう。ということ)
社員には、定期的に、自分の友人に渡していい「F(Friend)コード」が配られる。
優先的に、シャオミ製品が買えるチケットのようなものだ。
それだけの自負、覚悟を持って、製品をつくっている証拠だろう。

シャオミを見ていると、ふと思うことがある。
それは
「友人に、正規料金を請求したうえで
自分が手掛けたプロダクトを、自信をもって薦められるかどうか」
という問いだ。
友人に、「無料であげるから使ってみて」
「あげるから読んでみて」
ということはいくらでもできる。
しかし、正規料金を払ってもらったうえで、
「絶対に損はさせないから、購入・利用してみて」と言うことは
非常に、覚悟のいることである。
清らかな緊張感を持って、それでもなお自信を持って
友人に薦められる、友人をユーザーにできる
そんなプロダクト、そんなビジネスにしなければいけない。
惰性で、ルーティンで、
顔の見えない消費者だから無責任に売れる、
そんな仕事だけはしないように、心掛けたいものだ。
C