国内18番目のGDPの地方都市、南通
「アジアのシリコンバレー」と呼ばれる都会の重点都市、深圳
そして、「中国の沖縄」にあたるリゾート観光都市、三亜
この3都市をめぐってきて、現在の中国の姿がよりクリアに見えてきた。
まず、中国を語るうえで前提となる
2つのアンバランスさを認識しておく必要がある。
1つめ
ハード面において、自称している通り、中国はまだ「発展途上国」だ。
一方、ソフト面、とりわけデジタル・イノベーションにおいて
中国は「イノベーション実験場」と呼ばれるように、世界最先端を進んでいる。
途上国の環境と、世界最先端のサービス/ライフスタイルが共存している。
2つめ
中国のヒトも企業(ビジネス)も
基本的に、自由で無秩序だ。
合理的な事、便利な事、儲かる事、得な事に対して一直線で、自由だ。
それは裏を返せば、秩序がなく、「無法地帯」的な振る舞いにもつながる。
(「秩序ありき」の日本とは正反対で、だから中国は、近くて遠い)
一方で、中国は社会主義であり、政府による絶対的な秩序が存在する。
「強い政府」による管理運営に対して、ヒトも企業も、従うことが義務付けられている。
(ただし、中国政府の基本姿勢は、まず自由にやらせてみて
問題が大きくなってきたら、問答無用で規制するスタイルで、
最初から規制をかけて制限したり、潰したりすることは稀)
自由と無秩序の価値観と、社会主義という絶対的な秩序が共存している。

この2つのアンバランスさ、カオスさを踏まえたうえで
中国の都心部、地方都市、観光地を体験してきて
肌で感じた1次情報を列挙しておこう。
★Real/Change/Lifestyle
① 深圳:圧倒的に中国人材による発展。国外人材の流入は極めて少ない。
② 三亜:ホテル、ショッピングモールの不動産ラッシュは止む気配なし。
③ 物価インフレ:不動産は桁違い。外食も日本並み。ホテルは格安。
④ 「食」文化:中華料理偏重。1フロア20店舗がすべて中華も。
⑤ 「持ち込み」文化:飲食店、ホテル(ビュッフェ)への持ち込みフリー。
⑥ 「宅配」文化:いつでもどこでも、「美団」か「ウーラマ」
⑦ 「写真」文化:さらに加速。そのニーズに応じてビジネスも至る所に。
⑧ ファッション:海外ブランド、スポーツ系の広がり。ポロシャツ根付かず。
⑨ 移動革命:格安メトロ。サービスもヒトも高水準なディディ。
★Already Good
① トイレ設備の改善:紙、車イス用、オムツ交換台が完備
② サービス人材の登場:高級ホテルでは、きめ細やかな提案型サービス実現。
③ 観光地の環境改善:トイレ、バスなど綺麗でストレスフリーに。
④ キャッシュレス社会の完全浸透:それに伴い、充電器ビジネスも普及。
⑤ 待ち時間0サービスの浸透:スタバ、マクド、キング、KFC、ラッキン。
★Still Bad = Make Better
① 多言語対応の遅れ:ヒト、サービス、アプリの英語対応はまだまだ遅い。
② 道、建物の粗さ:メンテナンス不全、バリアフリー未浸透。
③ 田舎の価値観:「ステレオタイプな中国人」のまま。
④ 低水準なものづくり:雑貨、家具、壁紙など、よく見えれば至る所に粗さ。
⑤ リサイクル文化の未浸透:分別はほぼなく、あっても2種類。
⑥ コンビニ、自販機のない環境:逆説的に、だから宅配ニーズが高いのだが。

ざっと、これだけ列挙できるほどに
実りの多い中国滞在、国内旅行だった。
後日、1つ1つ掘り下げて語っていきたい。
語れるだけの、
語りたくなるほどの、
驚きに満ち溢れている。
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