キャッシュレスはお年玉まで:日中シニアの決定的な差

中国よもやま話

中国の「お年玉」は、ひと味ちがう。

日本よりもはるかに「家族」「血縁」の結びつきが強い中国では

お年玉として「紅包(Red Packet/ホンバオ/Hongbao)」を贈り合う習慣がある。

赤い封筒に現金を入れて贈る。

旧正月の、親戚が集結する食事会では

それはもう、すごい数の紅包が飛び交っていた。

親戚同士の子に贈る場合だと、大抵、もらった額と同額を

相手(の親)に贈るので、プラスマイナスはゼロになる。

キャッシュレスがここ数年で深く浸透した中国では、この紅包まで電子化が進んでいる。

今年の旧正月には、家族や友人同士で送る紅包「ラッキー・マネー」を初体験した。

ラッキー・マネーは、3人や4人など、複数人を指定して

送る金額(電子マネー)をWe Chat Payの残額から指定し、

相手にランダムに分配するものだ。

例えば、1,000円を3人に送ると、

ランダムに「700円」「200円」「100円」といった具合に分配される。

多くもらえたらラッキーだから、「ラッキー・マネー」。

友人同士でも送り合うし、家族内でも送り合う。

完全にお遊び感覚だ。

現金(電子マネー)のやり取りが、とてもカジュアルに行われている。

50代、60代のシニア層も、何の抵抗もなくコレを楽しんでいる。

この話からは、日本と中国におけるシニア層の決定的な違いが見てとれる。

中国人は、それはシニア層まで含めて、

新しいこと、便利なこと、流行っていることを受け入れる能力がとても高い。

日本のシニアと比べれば、圧倒的に、受け入れる抵抗感が小さい。

中国文化は、「見栄と張り合い」だと思っているが

それが良い意味で作用している。

中国シニアは、周りのみんながやっていることを

「できない、知らない」と言うことは、恥ずかしい感覚を持てている。

だから、キャッシュレスが中国には迅速に浸透していったし、

投資アプリで遊び程度の資産運用をすることも流行っている。

それに対して、日本の50代、60代、それ以上のシニア層のことを思い浮かべてみてほしい。

スマートフォンを使いこなすことも危ういのではないか。

アプリは、使えたとしても、LINEぐらいではないだろうか。

日本(のシニアの間)で、キャッシュレスが習慣化する未来は、まだまだ想像すらできない。

中国は、もう浸透している。

そして、キャッシュレスを前提としたサービス、プロダクト、店が流行っていっている。

Luckin Coffeeも、フーマフレッシュも、キャッシュレスありきだ。

日本と中国のシニアの差、ビジネスの差、イノベーションの差は

想像以上に大きく、ちょっとやそっとでは追いつけないものへと

既に広がってしまっているように思える。

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