『BLACK PANTHER』:アクションでドラマ性を表現する

映画随想録

ようやく、2018年に北米を席巻した「WAKANDA FOREVER!」を堪能した。

なかなか、日本人にとっては

「初の黒人ヒーロー映画」の衝撃の大きさを計り知ることが難しいが…

その一端は、この映画で味わうことができる。

黒人は長い歴史の中で多くの迫害・差別を受けてきた。

その蓄積させたダメージを、パワーに変える。

そのメッセージが、アクションに込められている。

この1点だけでも、鳥肌モノである。

主人公のパワースーツは、ダメージを受けると紫色の光を貯めて

貯めたダメージを、衝撃として相手に食らわせる。

だから

『BLACK PANTHER』におけるアクションシーンは

ただのアクションではない。

アクションひとつひとつに、

黒人が受けてきたダメージ(迫害)を

パワー(活躍)に変える

力強いメッセージが込められている。

北米では社会現象化し、MCU単独ヒーロー映画として

『IRONMAN』を抜いて最大のヒットを記録。

世界興行収入13.469億ドルを達成し、

MCUとして初めて、アカデミー賞作品賞にノミネートされた。

(超大ヒットの目安は、世界興収10億ドル)

テニスやバスケなど、多くの黒人スポーツ選手が

試合に勝った後には、象徴的なこのポーズをこぞってマネした。

黒人にとって、ヒーローと言えば、

ブラックパンサーになった。

以下、ネタバレなしの感想列挙。

・前作『CIVIL WAR』、本作冒頭時点から、既に強い、大人、ほぼ国王という主人公のキャラクター設定、バランスが巧み

・黒人ヒーローであり、側近の女性陣が活躍する

・「人種」「性別」のダブルでマイノリティを応援する物語

・妹のキャラが抜群に良い

・悪役(ヴィランのキルモンガー)が魅力的

・スタートの舞台、セリフの端々、そして最後の国連でのリアクションまで、人種差別と、それに打ち勝とうとするメッセージが輝いている

・黒人サイドが、誇りと余裕を持つ様が、カッコいい

MCUは、この『BLACK PANTHER』の大成功によって

ヒーロー映画における「多様性」を推し進めていくことができるようになった。

黒人ヒーロー「BLACK PANTHER」、

女性ヒーロー(最強)「CAPTAIN MARVEL」、

そして今後登場してくるアジア系ヒーロー「SHANG-CHI」、

また、「THOR」シリーズなどには、今後LGBTのキャラクターが出てくるという。

そういう意味でも、この映画の意義、価値は計り知れないほどに大きい。

まさしく「epoch-making」(画期的、新時代を切り開く)な一作。

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